ビジネス

証券会社が「野菜」を売る狙いとは? 大和証券社長が語る

大和証券グループ本社の中田誠司社長

 国内ではアベノミクスの行方に不透明感が漂い、世界では米中摩擦や英国のEU離脱問題など、国内外の株式市場が揺れ動く出来事が相次いでいる。そんな証券会社にとって正念場の中、大和証券の新ビジネスに注目が集まっている。収益多角化を目指す大和証券グループ本社の中田誠司社長(58)に戦略を訊いた。(聞き手/河野圭祐=ジャーナリスト)

──平成元年といえば、日経平均株価が史上最高値をつけた年。証券会社が我が世の春を謳歌していた頃ですが、あなたは当時、どんな仕事をしていましたか?

中田:当時は入社7年目。あの年は私にとっても転機でした。入社からずっと日比谷支店で個人営業を担当していたのですが、年初に新入社員のインストラクター係の辞令を受けて、25人の新人を指導しました。それが終わった6月には事業法人部に異動となります。

──企業合併や買収を担う事業法人部といえば、証券会社の花形部署ですね。

中田:でも、若手の私が担当するのは、当社が主幹事会社どころか幹事会社でもない取引先ばかり。どこまで食い込んでいけるかという“攻める営業あるのみ”でした。事業法人部で過ごした13年間は、私の大和ライフの核となる時代でした。

──しかし、その間にバブルが弾け、1990年代後半に金融ビッグバンを迎えます。外資系参入も本格化した。

中田:特に事業法人のM&A業務については外資系のほうが経験や知見が豊富で、国内金融機関はなかなか太刀打ちできませんでした。ですが、彼らと競い合うことで我々のスキルも磨かれていきました。

 その頃に気づいたのは、単に担当する企業を分析するだけでなく、グローバルベースで業界を研究し、戦略を提案することの重要性です。そのため、担当する業界のアナリストレポートのほぼすべてを読み込むように心がけました。当時、誰よりも早くそれを実践していた自負はありますね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン