トップは12年連続で東海(愛知)で、今年は116人が合格している。男子校で、日本でもっとも医師を生み出している学校だ。内訳を見ると、地元の名古屋大に29人、名古屋市立大に23人合格している。この2大学では全国トップの合格者数だ。他にも近隣の三重大9人、岐阜大8人で、東海地区の大学で合格者の6割近くを占めている。
2位は灘(兵庫)の90人。京大26人、東大理III 21人、大阪大10人など。この3大学は全国トップの合格者数だ。今年は卒業生219人中、文系は30人未満だったという。8割以上が理系で、医学部志望者が多かった。医学部現役合格者は58人で、全国トップだった。
3位は洛南(京都)の78人だ。元は男子校だったが、共学化後、医学部合格者が増えている。洛南は長らく京大合格者数トップだったが、ここ2年は大阪の府立高の北野にトップを奪われている。この4年は国公立大医学部合格者数が京大合格者数(京大医学部合格者を両方とも含んでいる)を上回っている。やはり医学部人気が高い。
4位はラ・サール(鹿児島)の68人、5位は開成(東京)の65人、6位は甲陽学院(兵庫)の63人だ。ここまではすべて私立の中高一貫校で、洛南を除くとすべて男子校だ。
7位は公立の札幌南(北海道)と久留米大付設(福岡)の56人。札幌南は北海道大21人、札幌医科大22人で、この2大学の合格者数トップだ。旭川医科大にも9人が合格し、北海道の3大学で合格者の9割以上を占め、強さを発揮している。
9位は東大寺学園(奈良)、10位は昭和薬科大附(沖縄)で、開成を除くとすべて首都圏外の学校だ。首都圏には国公立大医学部の設置が少ないこともある。東京に2校、千葉に1校、神奈川に1校の4校しかない。近畿の2府4県には、8校も設置されている。この差は大きいようだ。女子校トップは13位の四天王寺(大阪)の46人、次いで20位の桜蔭(東京)の39人だった。
大学別の合格者トップ校を見ると、医学部のある50大学のうち、地元の学校以外がトップだったのは、東大、京大、大阪大の灘、千葉大の開成、奈良県立医科大の大阪星光学院(大阪)の5大学だけだ。他は地元のトップ校が合格者数1位だ。
なぜ地元高校が強いかというと、医師不足に悩む自治体にある大学では地域枠を設け、地元の受験生を優遇しているためだ。他県から受験に来て、地元に定着しない医師を減らすことが狙いだ。そのため、今までトップ校からしか医学部合格が厳しかったが、最近では2番手校からの合格者が増え、医学部合格校のすそ野が広がっている。