そして連休明け。リフレッシュできなかった子はつらい気持ちを引きずったまま絶望的な心境で登校日を迎える。子供の口から「学校に行きたくない」という言葉が出たら、どうすべきか。石井さんは「休ませるべき」と断言する。

「学校に行きたくない子ほど、ギリギリまで“学校に行きたくない”とは言えません。子供は、“学校には行かなければならない”と思い込んでいるから。それでもなお“行きたくない”というのは、110番や119番に助けを求めるのと同じくらいの緊急事態なんです」

 思い切って休ませてあげると、子供は親に受け入れてもらえた安心感から、翌日にはケロっと学校に行き出すケースも多いという。一方、もし休みが続いた場合、子供が抱えていた問題は親が思っていた以上に深刻だった可能性がある。長期間休む必要があったのだと考えよう。

 仮に、もし親が「休み癖がつくといけないから」「ここで踏ん張ってもらわないと」などと考え、無理に学校に行かせてしまうと、どうなるか。

「子供は、学校に通うことへの恐怖感に加え、“親にも分わかってもらえなかった”という絶望感で、ますます追い詰められます。場合によっては、何らかの疾患が出たり、リストカットや深夜徘徊などの行為に及ぶんだりする可能性もあります。無理に学校に行かせるのは、崖っぷちにいる子供の背中を押すことになりかねません」

「学校は命がけで通う場ではない」と、石井さん。SOSが出たら、休ませて回復するのを見届けるのが子供を救うことになると、親たちは今こそ肝に銘じたい

◇石井志昂
いしい・しこう。1982年生まれ。中学2年生から不登校になり、同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19才からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフとなり、2006年から編集長。不登校の子供や親、専門家など400人以上に取材してきた。

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