国内

GW明けに子供の自殺は急増 わが子を救うため親がすべきこと

子供からのSOSを見逃さないでほしい

 前代未聞の10日間に及ぶ超大型連休。普段は学校や塾に忙しいわが子と久しぶりに旅行に出かけたり、ゆっくり家で一緒に過ごしたりと、いつもよりじっくりコミュニケーションが取れているという人も多いだろう。一方で、学校が休みだから、と夜遅くまでだらだらゲームをやり続けたり、話しかけてもろくに返事もせずスマホを手放さないわが子の姿に、堪忍袋の緒が切れそうな親もいるのではないだろうか。しかしそれは子供からのSOSかもしれない――。

「多くの子供たちは4月から、進学やクラス替え、席替えなどにより、程度の差はあれど、新しい環境で過ごしています。それをきっかけにいじめの対象になる子、新しいクラスにうまくなじめず、ストレスを抱えている子もいるでしょう。その疲れが一気に出るのが、この連休なのです」

 こう警鐘を鳴らすのは、不登校になった生徒やその親などに400人以上取材してきた『不登校新聞』編集長の石井志昴さん。自身も、中学時代に自殺の一歩手前まで追い詰められ不登校になった経験を持つ。

 内閣府の調査では、子供が自殺する日は「夏休み明け」「春休み明け」「5月の連休明け」の順に多い。中でも今年のゴールデンウィーク(GW)は10日間。

「今年のGWは例年にない長さのため、特に注意が必要です」(石井さん・以下同)

 石井さんの経験から、小中高校生の子を持つ親に、休み中の子供のSOSの見分けかたや、どう接するべきかアドバイスをもらった。

◇連休中の楽しそうな表情をしっかり覚えておく

「普段は朝きちんと起きて学校に行っているような子供が10時間以上眠り続けたり、ゲームやスマホに昼夜問わず没頭したりと、親から見て怠けているように見える過ごし方をしていても、新学期の疲れがどっと出ているだけです。つい口を出したくなるのはわかりますが、“ゲームばっかりしていないで、勉強しなさい”などと言うのは控えてほしい。ある程度自由に過ごせれば、子供自身、学校生活で消失していたエネルギーがだんだんとチャージされていき、本来の自分を取り戻していけます。それまで親は、干渉せず、ただただ見守っていてほしいんです」

 ただし、不干渉と無関心は別だ。どう声がけすればいいか。

「本当に心配なことがあるならば、率直に“あなたのことが心配なんだけど、何かあった?”と聞くことで、たとえそのとき“何もない”と教えてくれなかったとしても、子供は“親は自分のことをちゃんと見てくれている”と安心し、学校生活でふくれあがった孤独感も薄れてゆきます」

 こうして子供に自由に遊ばせて、元気になったら、その様子を親はしっかり覚えておく必要があるという。

「不登校になったり自殺をするまで追い込まれたりするような子供は、休みが終わりに近づくと急に元気がなくなり、暗くなります。連休中に楽しそうに笑って過ごしていた時の様子と、連休最終日や登校日の表情を比べてみてください。明らかに違う時は、SOSだと思っていいでしょう。笑えない、食べられない、朝起きられないなどできないことが増えた時は要注意です」

◇連休明け、子供が「学校に行きたくない」と言い出したら

関連キーワード

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト