「私の名前で検索されちゃうと、やっぱり『ヤクザ』『ヤク中』みたいな検索ワードが出てきてしまう。履歴書に嘘は書けないので、名前と経歴を真面目に書いたら、あとから検索されて『うちでは雇えない』と何度も不採用になりました。やっと人生やり直そうと思ってるのに、まだだめなの!?と思って。でももう、『これしかやらない』と決めてたから、あとは採用されるまでひたすら面接を受ける日々でした。やっぱり本当に大変でした。一度採用の連絡を受けても、あとからネットで検索されて『ごめんなさい』と言われることもありました。
やはり保育園は子供を預かるところなので、子供を守らなきゃいけない。当時、ネット掲示板の書き込みがけっこう見られていたみたいなんですよね。そこにはひどいことが書かれているから、こんな人が保育園にいたら不安を与える、と。リスクマネジメント的な観点からそのような結果になることも理解はできます」
だが、あまりにも採用されないため、芸能活動をしていたことを履歴書に書かず面接に臨んだ。一旦は採用されたが、保護者に見破られ、解雇となってしまった。また振り出しに戻り、履歴書を書いては面接に臨む日々に。諦めず応募を続け、ようやく採用を勝ち取ったという。
「過去に芸能の仕事をしていたことがあるという園長で『うちは気にしない』と初めて言ってもらえて、採用になりました。粘り勝ちでした」
そして10年──。いま、彼女は小さい頃の夢を実現している。
【プロフィール】こさか・ゆか/1985年、神奈川県生まれ。旧芸名は小阪由佳。「ミスマガジン2004」グランプリで芸能界デビュー。2009年に芸能界を引退後、保育関連の仕事に携わる。公式ツイッターは@kosaka_revival。インスタグラムは@kosakayuka0627。
◆取材・構成/高橋ユキ(ジャーナリスト)