トライアルからの参戦はフローラSから2勝(上記ライトカラーを加えれば3勝)、スイートピーSから1勝。フローラSで上位に来た馬は「なんとかオークスへ」という陣営の思いが凝縮しているものの、オークスではまだ完成の域に達していなかったということなのか、ダイイチルビー、ディアデラノビア、デニムアンドルビー、モズカッチャンなど秋以降に本格化している印象。そういえば、先のヴィクトリアマイルを勝ったノームコアも2018年のフローラS3着。この年から優先出走権の付与が2着までになったため、オークス出走を断念していた。

 ただし2010年以降は1勝ながら2着4回3着4回と、桜花賞組の一角に食い込むことはあるかもしれない。

 今年は桜花賞馬グランアレグリアがNHKマイルカップに出走して不在。平成のオークスで桜花賞馬が参戦しなかったのは4回。そのときでもすべて桜花賞出走馬が勝っている。1番人気で4着に敗れたダノンファンタジー、7番人気ながら2着に食い込んだシゲルピンクダイヤ、東京コースのクイーンCを勝っている3着クロノジェネシス、いつのGⅠでも気になる勝負服の5着ビーチサンバまではコンマ1秒の争いだった。

 1万人の夢を背負っているラヴズオンリーユーも、3戦3勝とただの忘れな草賞組とはいえなさそう。これまで4勝しているフラワーC出走馬からは、勝ち馬コントラチェックに噂のレーン騎手、東京の2000mを5回使ってすべて3着以内というシャドウディーヴァも不気味。フローラS勝ちのヴィクトーリアは、オークス2着3回の戸崎騎手で侮れない。

 桜花賞馬が不在で人気が分かれそうな混戦なので、無理な穴狙いは必要ないだろう。なにしろ過去30年間、二桁人気で3着までに入ったのは7頭しかいないのだ。そしてそのうち6頭もやはり桜花賞組だった。

 そういうことで、あえていうなら(10番人気以内かもしれないが)シェーングランツか。藤沢和雄厩舎では、コントラチェックが人気を集めそうだが、デビュー前はオークス馬の半姉ソウルスターリングより能力が高いと噂されていた素質馬(募集価格も2000万円高い)。アルテミスSではビーチサンバに勝っているし、阪神JFでもダノンファンタジーとはコンマ3秒差。桜花賞ではやや距離不足だったようで、武豊騎手も「オークス向き」とコメントしていた。今回が5回目の騎乗、一発があってもおかしくない。

●ひがしだ・かずみ/今年還暦。伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。

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