健康食品というと、白米よりも玄米を思い浮かべる人もいると思うが、磯村さんは「必ずしも玄米の方が健康にいいとは限らない」と言う。

「玄米の方が健康的なイメージですが、食物繊維が豊富なゆえに、弱った胃腸には負担になりやすいことも。疲れている時は、白米の方が消化しやすく、胃腸への負担も軽いのです」

◆食欲減退はクエン酸で防ぐ

 良質なたんぱく質と糖質を摂取しても、体内でエネルギーに変えるためにはクエン酸とミネラルが必要だ。

 クエン酸はすっぱい食べ物に含まれていて、今回のアンケートでは「梅干し」(26点4位)、「酢」(8点10位)、「レモン」(5点16位)がランクインしている。

「疲れた時にすっぱいものを食べたくなるのは、体の正直な反応。糖質を燃焼させ、エネルギーに変えて疲労回復を促してくれるのはもちろん、食欲増進作用もある。食欲がない時でも、クエン酸に含まれる酸味成分は唾液や胃液の分泌を促し、お腹を空かせてくれます。さらに梅干しには、抗酸化作用のあるリグナンも豊富に含まれている。疲労回復を促すスーパーフードといっても差し支えないでしょう」(秋葉原駅クリニックの佐々木欧医師)

 今回は僅差でランクインを逃したものの、キウイなど酸味のある果物にも含まれている。疲労を感じたら、好みのものを積極的に摂るようにしたい。

 クエン酸とともにミネラルも、糖質やたんぱく質をエネルギーに変える必要不可欠な栄養素だ。しかし女性は特に、ミネラルのなかでも「鉄不足」が懸念されると管理栄養士の菊池真由子さんは指摘する。

「鉄は体に酸素を運ぶ大切な働きをしていますが、女性は潜在的に鉄欠乏性貧血になっている人が多い。非常に強い疲労感をもたらし、動悸や息切れ、頭痛の原因にもなります。自覚なく進行するので、普段から鉄分の豊富な食べ物を積極的に食べましょう。なかでもレバーは、吸収効率のよいヘム鉄の供給源として非常に優秀。ビタミンB群も豊富なので、疲労回復にはうってつけです」

 成城松村クリニック院長の松村圭子さんは、6位の「うなぎ」(15点)もミネラルが豊富だとすすめる。おすすめの食べ方は、うなぎときゅうりをお酢で和えた「うなきゅう」だとか。

「うなぎはミネラルに加えてたんぱく質が豊富なうえ、血行促進作用のあるビタミンEも多く含む。速やかに疲労物質を体外に排出してくれます。クエン酸たっぷりの酢で和えることで、疲労回復効果アップ間違いなしです」

 疲労回復力を上げる食べ物を食卓に採用する際、注意したいのは「バランス」だ。東洋医学研究所附属クリニックの川嶋朗さんが言う。

「疲労回復にはとにかく“バランスよく食べる”ことが大切です。ビタミンやミネラルももちろん必要ですが、あくまでも補助栄養素。三大栄養素をバランスよく体に取り入れたうえでなければ意味がありません」

 疲労回復力食品をまんべんなく食べて、これからの季節を元気に乗り切ろう。

※女性セブン2019年6月13日号

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