近年、人間の葬式は簡素化が進む傾向にあるが、対照的にペットの弔い方は多様化し、様々なサービスや商品が登場している。また、大金を惜しまない飼い主の増加も一つの傾向といえるだろう。ペットの葬式や墓地に詳しいジャーナリストで、浄土宗・正覚寺副住職の鵜飼秀徳氏がこう語る。
「法律上、ペットの遺体は一般廃棄物の扱いになります。ペット葬祭に関する法整備は追いつかず、ノウハウがなくても参入できます。中には料金を受け取りながら火葬や供養をしないで廃棄する悪徳業者もいる。後悔しない見送りをするためには、火葬場や葬儀業者、寺院、墓地を日頃から検討しておく必要があります。また、そのためには自分の菩提寺や地元の行政機関、かかりつけの動物病院に相談するのが一番いいでしょう」
ペットが死を迎えたら、納骨するにも手元に置いて供養するにも、まず必要になるのが火葬。
「ペット火葬板橋」(東京都)のように、天使の像を配したお別れの部屋を用意するペット専門火葬施設がある。逆に自分が先に死を迎える可能性もある。残されたペットが心配な場合、信託契約を結んでおくのも一考だ。
※週刊ポスト2019年6月7日号