スポーツ

羽生結弦が5年ぶり地元仙台公演、東北に思い馳せる差し入れ

写真は幕張公演でのワンショット(時事通信フォト)

 萩の咲き乱れる仙台の空にぽっかり浮かぶ名月をかたどった銘菓『萩の月』―日本の代表的な土産3本の指に入る人気ぶりだが、今回「ファンタジー・オン・アイス2019」(以下FaOI)仙台公演(5月31日~6月2日)のための記念パッケージの特別バージョンが発売された。

「FaOIが始まって以来、仙台公演は今回が初めて。羽生選手にとっても特別な思いがあったようです。連日、出演者やスタッフに差し入れをしていました。初日がその特別版『萩の月』でした」(フィギュア関係者)

 羽生結弦(24才)が地元で公演するのは5年ぶりという事情もあった。羽生がリンクに立った瞬間、超満員の会場に絶叫にも似た「おかえり~」の声が響く。

「おかえりって言ってくれて、うれしく思います。ここ仙台でアイスショーをできたことをうれしく思います。非常に温かい空気の中で、みんなで滑ることができて、とても幸せでした…」

 最終日、羽生の演技にはすすり泣く声も聞こえた。

「仙台公演の羽生選手には幕張公演と違う緊張感が漂っていました。故郷への思いが溢れすぎていたというか…。振り付けも変えていたと思います。より優雅でダイナミックな演技を求め、幕張公演から、衣装のデザインを変更して挑んでいたんです。動きにくさが気になるレザー調の生地を外し、襟元は深くした。見た目にも気を使い、スワロフスキーの装飾を追加したようです。あまりの熱量に泣いている人も多かった」(前出・フィギュア関係者)

 羽生は故郷だけに限らず、東北全体に思いをはせていた。

「彼は関係者に差し入れをしていたのですが、『萩の月』のほかに200年以上伝統の味が続く、秋田・能代の銘菓『翁飴』や、山形の名産さくらんぼ『佐藤錦』という日もあったようです。東北の銘菓を選ぶあたり、復興を願う彼の思いが伝わってきます。出演するアーティストやスケーター、会場のスタッフらも、その心遣いに感嘆していました。すごい人です」(仙台公演関係者)

 何もFaOIで初めての仙台公演だから、というわけではない。

「文房具など羽生選手の身の回りには、アイリンというキャラクターがつけられたグッズが目立ちます。練習の時につける手袋にもこのキャラがついている。羽生選手愛用のアイリン手袋として人気になったため、売り上げの一部が被災地の復興に充てられたこともあったそうです。もう何年も使っていて、この仙台公演でも彼の身の回りに、このキャラを見つけました」(前出・仙台公演関係者)

 ファンはもちろん大物スケーターや裏方たちから「愛される」羽生。その原点は「心遣い」なのかもしれない。

※女性セブン2019年6月20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン