一緒に食事するな?

 家事を妻と分担しようとするのは大事だが、夫婦で料理を一緒に作ろうとするのはおすすめできない。元自動車メーカー勤務のBさん(66)の場合。

「私が料理を作るのには、妻も賛成なのですが、私の段取りや後片付けの仕方の粗さが目について、どうしてもイライラしてしまうようです。だから、私が料理を担当する時は、妻は食べるだけ。週1回担当していますが、食材や献立を話し合うようになって、夫婦の会話も増えました」

 夫婦問題カウンセラーの立木ミサ氏が語る。

「お互いのやり方に口を出さないよう、“妻が料理と洗濯なら、夫は掃除全般”など、完全分業にしたほうが無難です。そして、相手の担当範囲には、決して口出しをしない。これで、余計なぶつかり合いを避けることができます」

◆ペットを飼うと世話の負担が不公平に

 子供が独立したら、今度はペットを飼って愛情を注ぎたい──そう考える夫婦は多いだろう。

「でも、これがまたトラブルの原因なんです」

 そう話すのはリタイアしたばかりの夫を持つC子さん(58)だ。

「最初は犬の世話の分担を決めていたのに、結局、夫は私が言わないと自主的にやりません。気が向いた時だけ、ご飯をあげたり、散歩をしたり。トイレの始末やシャンプーなどは“俺には無理”と手を出そうともしません。この歳になるまでペットを飼ったことがなかったので、大変で大変で負担ばかりです。子はかすがいですが、ペットはかすがいになりませんでした」

 中途半端な覚悟なら犬や猫には手を出さないほうが賢明だ。

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