令和初の国政選挙となる参院選が迫ってきた。再激戦区となる東京選挙区(定数・6)は19人の出馬(6月6日時点)が予想され、自民党の丸川珠代・元五輪相や公明党代表の山口那津男氏が当確と見られているが、大阪選挙区は、勢いのある維新が現職の東徹氏に加え、元大阪市議の伊藤良夏氏を擁立する方針だ。
「統一地方選以来、維新は大阪で破竹の勢い。しかも複数区での票割りも巧みだ。2人当選は十分可能でしょう。公明党も大阪は牙城だから現職の杉久武氏が当選ラインを下回ることは考えにくい」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)
そうなると残る1議席を自民党現職の元大阪府知事・太田房江氏、共産党現職の辰巳孝太郎氏、立憲民主党の新人でテレビコメンテーターとしても知られる弁護士の亀石倫子氏らが争う大乱戦になる。
自民党は2人擁立を断念して候補者を太田氏1人に絞り込んだが、それでも当落線上にある。政治ジャーナリスト・角谷浩一氏が維新人気をこう分析する。
「大阪の有権者の感覚としては、与党は自民ではなく維新です。自民党が正論を言おうと、維新の人気には歯が立たない。それは既成政党への政治不信の反映であり、維新以外の政党は、自民党も公明党も、立憲民主や国民民主と同じように野党なのです」