◆証拠を押さえておく

 仕事先にまで嫌がらせの電話をかけてくるのは、場合によっては犯罪にもなる。

「警察に相談すれば、被害届が受理されるケースもあります。また、ネット上の書き込みでも実害が伴うようなものは画像とデータで保存し、証拠として残しておきましょう。

 攻撃するすべての人間に対処するのは現実的ではありません。いちばん目立つ、もっとも悪質な攻撃者に見せしめとして罪を償わせることで、周囲の人間にも警告を与え、攻撃をやめさせることができます」

 では、具体的にはどうしたらいいのか。

「まず相手の特定ですが、これは個人にはハードルが高く、ネットでの誹謗中傷は民事案件になることが多いので、警察は動けません。弁護士などに頼った方がスムーズです。

 最初は、無料法律相談も受け付けている『法テラス』に相談するのがおすすめです。どのくらいの費用や手間がかかるかという目安がわかるでしょう。まずは電話かメールで問い合わせましょう」

 実際に相手を特定するには、書き込まれたサイトの管理人、サーバ管理会社、ウェブサービス提供会社に対して発信者の情報開示請求を行うこととなる。この際は書面作成の件数をこなしている弁護士を介した方がスムーズだ。

 そして、発信者を特定するIPアドレスを管理するプロバイダーに対して契約者情報の開示を求める。この場合、裁判所を通じることが多い。

 最終的に、発信者情報開示請求訴訟に勝訴後、契約者情報が開示され、個人の特定に至る。ただし、相手が特定でき、裁判を起こした場合、弁護士費用や裁判手続きだけで数十万円かかる。

「慰謝料は実害に伴い数百万円ということもありますが、せいぜい数十万円とれればいい方。ただ、弁護士が内容証明を作成するだけで1件2万~3万円、相手に投稿を削除させるのにも、弁護士を通せば1件2万円以上はかかります。それ以外の経費を含めると、回収できない可能性が高いですね」(唐澤さん)

 それでも相手に社会的制裁を与えたい場合は、時間とお金と労力がかかることを心しておこう。

※女性セブン2019年6月27日号

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