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星野リゾート代表 外銀時代の体験が反面教師になり成長

星野リゾートの星野佳路代表

 リゾートホテルや旅館の再生に長け、近年では個性豊かな新規施設を次々と開業する星野リゾート。国内外の運営施設は37を数える。大手ホテルグループの“天下”が続いてきた日本で、業界地図を塗り替えつつある風雲児・星野佳路(よしはる)代表が描く今後の戦略は──。

──星野さんにとって、平成元年(1989年)は転機の年だったそうですね?

星野:前の年(1988年)にアメリカから軽井沢に戻り、実家の星野温泉に副社長として入社しました。ですが会社にいたのはわずか半年ほど。1989年に退社しました。

 米国のコーネル大学ホテル経営大学院で学んだ近代ホテルのマネジメントと、古色蒼然とした実家の慣習や経営方針のギャップがあまりに大き過ぎた。それに、古い体質を一気に変えようとすると、星野温泉の既得権に踏み込んでいくことになった。社長である父やその周辺から反発を受けることになってしまったんです。

──その後、シティバンクに勤務し、1991年に社長として復帰する。

星野:米国にいた知人からシティバンクを紹介してもらい、豪州のリゾートホテルの債権回収業務に携わりました。そのリゾートホテルの経営が傾いた原因は、売り上げを甘く見積もり過ぎたことにあった。採算が合うよう無理やり机上の計算で辻褄合わせをするのが一番危ないと学びました。

 ホテル経営は工場などと違い、コストが計画値から上がりやすいのです。このソファーをもっと良くしよう、ここにかける絵ももう少し上質なものを持ってこようなどと、どうしても夢を語り始めてしまう。

 そして気が付いたら、たとえば総工費50億円の計画に70億円かかったというケースがたくさんあり、それに合うように売り上げ計画を修正してしまう。そういう悪循環のプロセスを反面教師として垣間見ることができたのは貴重でした。

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