「星のや東京」(提供/星野リゾート)

──これからのプロジェクトにはどんなものがある?

星野:奈良県では重要文化財である旧奈良監獄をホテル仕様に改修する取り組みを進めています。

 明治政府が建設した赤レンガ造りの建物は歴史的価値が高く、意匠も優れている。その魅力を活かした上質な宿泊施設を実現すべく、準備しています。

 また、大阪では「OMO7大阪新今宮」を2022年4月に開業予定です。大阪・新世界にほど近い庶民の町ならではのディープな大阪文化を紹介する、エキサイティングな施設にしたい。

 地方で様々な仕事をしてきましたが、「個性」ほど強い集客エンジンはないと実感しています。その点、日本にはまだ強い個性を持った地域がたくさんある。

【PROFILE】ほしの・よしはる:1960年、長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、米コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。日本航空開発、シティバンクを経て1991年に星野温泉(現・星野リゾート)代表取締役に就任。自社のリゾート施設運営のほか、経営破綻した大型リゾートの再生事業にも着手する。

●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト):1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

※週刊ポスト2019年6月28日号

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