ボクは、猫になって、この町に住みたい。

 後半まで読んでいって、ボクシンングの話で、もう一段大きく笑ってしまう。そう来るか。

 そして、最後には、まさかの展開で、まんまと泣かされてしまった。

 この涙の熱くて気持ちいいこと。構成力のある作家さんだ。

 本棚の隅の見つけやすいところに入れておいて、いつでも取り出して読めるようにしておきたい。

 令和の世に、この人情が少しでも戻ってきたらなぁ、と願わずにはいられない。

【Profile】
久住昌之(くすみ・まさゆき)●漫画家・ミュージシャン。1958年生まれ。実弟の久住卓也と組んだ漫画ユニット「Q.B.B.」で、1999年『中学生日記』で文藝春秋漫画賞を受賞。谷口ジローと組んで描いた漫画『孤独のグルメ』はテレビドラマ化もされた。『花のズボラ飯』(漫画・水沢悦子)は2011年「このマンガがすごい!」で女性部門1位を獲得。

※女性セブン2019年6月20日号

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