報告書の誤りは「作成に用いた地図の縮尺の割合が合っていない元データを使ってしまった」「単純なミス」と釈明、岩屋毅防衛省は「チェック体制が甘かった」と陳謝した。だが、新屋演習場が適地であることに変わりはないという。

 専門家らによると、報告書は「グーグルアースプロ」で作成した断面図を用いて作られたようだが、この地図アプリには縦軸と横軸にメモリが付いている。「きちんと見ていれば気付いたはず」と指摘する声もあるが、どうしてそれを見落としたのか。まして自衛隊には「地理情報隊」という地図を専門に扱う部署もある。そこでどうしてチェックしなかったのか。はたまた、なぜ実地に測量しなかったのか。

 意図的でなければ、陸上自衛隊の担当者たちが「自分が見たいことしか目に入らなかった」ということだろう。理由は「新屋演習場が最適」という結果が得られたからだ。

 今回の場合なら、望むような結果が得られたことで、他のことには目が向かず、結果以外は見えなくなるし、見なくなっていたのだろう。自分の動機で目が曇ってしまうと、自分たちの利益のためにやっているとは思っていないが、心のどこかで都合のよい結果が欲しくなってくるいう。。縮尺を見落としたのも、チェックしなかったのも「見たいことしか目に入らなかった」と考えれば、新屋演習場が適地という結果は彼らが望むものだったと推測できる。

「新屋ありきの辻褄合わせ」という印象が強いイージス・アショアの配備計画だが、津波の影響についても報告書にはなかったという。修正される資料は、そこからどんな結果を導き出すのだろうか。

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