ビジネス

カネカ騒動やパンプス強要問題に見るハラスメントの今

職場でのパンプスやヒール着用強制に反対する「#KuToo」運動が広がりを見せている

職場でのパンプスやヒール着用強制に反対する「#KuToo」運動が広がりを見せている

 カネカの「育休明け転勤」騒動や、パンプス着用強制に反対する女性の「#KuToo」運動が広がりを見せるなど、これまでは職場内で当然のように行われていた“不文律”がハラスメント被害に発展するケースが相次いでいる。働く主婦の調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長兼「ヒトラボ」編集長の川上敬太郎氏が、誰もがハラスメントの加害者になり得る“無意識”の怖さについてレポートする。

 * * *
 ハラスメント(嫌がらせ)の加害者といえば、どんな人をイメージするだろうか。2017年に連合が発表した『ハラスメントと暴力に関する実態調査』によると、パワハラやセクハラなど、職場でのあらゆるハラスメントの加害者の第1位は「上司や先輩」だった。

 新聞記者へのセクハラ、パワハラ発言で問題になった事務次官や、恫喝疑惑などで話題になり除名処分となったスポーツ団体会長などの記憶も新しい。

 しかし、当の加害者たちの反応を見ると、自らが加害者だと認識していないように感じることがある。単にとぼけているだけなのだろうか。

 しゅふJOB総研で、仕事と家庭の両立を望む“働く主婦層”に「現在も含め、これまでの職場でセクハラやパワハラなどのハラスメント(嫌がらせ)を受けた経験はありますか(有効回答数=971 ※回答者は全員女性)」と質問したところ、「パワハラを受けたことがある」が49.4%と約半数、「セクハラを受けたことがある」人は30.4%だった。

職場で何らかのハラスメントを受けたことがある人は半数近くに及ぶ

職場で何らかのハラスメントを受けたことがある人は半数近くに及ぶ

 一方、「ハラスメントを受けたことはない」と回答した人は27.2%。裏を返せば、なんらかのハラスメントを受けた可能性がある人は7割を超えることになる。

 続けて、同じ回答者たちに「現在も含め、これまでの職場でセクハラやパワハラなどのハラスメントの加害者になってしまった経験はありますか」と質問してみると、「ハラスメントをしたことはない」と回答した人が83.9%に及んだ。

ハラスメントの加害者は当事者意識が薄い

ハラスメントの加害者は当事者意識が薄い

 パワハラ、セクハラ、他のハラスメントを「してしまったことがある」と回答した人の比率は、すべて足しても2%。はっきりと自らが何らかのハラスメントの加害者だと認識している人は、ほとんどいない。

 しかし、フリーコメントには「したつもりはないが思われているかもしれない」「自覚はないが、可能性はある」「自分ではないと思うが、解釈する人による」などの声があった。無意識に自らが加害者になってしまっている可能性を示唆する声だ。

関連記事

トピックス

神田正輝の卒業までに中丸の復帰は間に合うのか(右・Instagramより)
《神田正輝の番組卒業から1年》中丸雄一、『旅サラダ』降板発表前に見せた“不義理”に現場スタッフがおぼえた違和感
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)の“過激バスツアー”に批判殺到 大学フェミニスト協会は「企画に参加し、支持する全員に反対」
NEWSポストセブン
主人公・のぶ(今井美桜)の幼馴染・小川うさ子役を演じた志田彩良(写真提供/NHK)
【『あんぱん』秘話インタビュー】のぶの親友うさ子を演じた志田彩良が明かすヒロインオーディション「落ちた悔しさから泣いたのは初めて」
週刊ポスト
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《いまだ続く広陵野球部の暴力問題》加害生徒が被害生徒の保護者を名誉毀損で訴えた背景 同校は「対岸の火事」のような反応
週刊ポスト
どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン