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日本人の“肉食事情”に専門家が警鐘、50年で6倍になった

【図表】発がん性の分類

「夏バテ防止のために、週末は家族で焼き肉を食べに行こうかな」
「糖質制限ダイエットを始めたので、たんぱく質摂取のため赤身の肉を積極的に食べています」
「夏休みには子供たちとバーベキューをする予定」

 生活スタイルの変化により、肉を食べる機会が増えているという人は多いのではないだろうか。 

 実際、農林水産省の「食料需給表」によると、肉類の1人あたりの年間消費量は、1960年度は5.2kgだったのに対し、2016年度は31.6kg。なんと6倍にも増えているのだ。

 ところが、そんな日本人の“肉食事情”に、専門家たちは声をそろえて警鐘を鳴らしていることをご存じだろうか。

◆加工肉を毎日50g食べると大腸がんリスクが増加

 2015年10月、世界保健機関(WHO)の外部組織にあたる国際がん研究機関(IARC)は、「加工肉や赤肉には、発がん性のリスクが高い」との調査結果を発表した。

 IARCは加工肉を「グループ1」、赤肉を「グループ2」に分類し、「加工肉を継続して毎日50g摂取すると、大腸がんのリスクが18%増える。赤肉は加工肉ほどの強い証拠はないが、毎日継続して100g摂取すると、大腸がんのリスクが17%増える」と発表している。

 加工肉とは、燻製、塩づけ、乾燥、防腐剤添加などにより、保存加工された肉のことで、ハムやベーコン、ソーセージなどがこれに当たる。赤肉とは、哺乳類の肉で、牛・豚・羊・馬などの肉をいう。鶏肉は赤肉には含まれない。

「肉」が健康に与える影響については、IARCの発表以前から指摘があった。2007年に改訂された世界がん研究基金と米国がん研究協会による報告書『食物・栄養・身体活動とがん予防』では、大腸がん予防のために、「赤肉は調理後の重量で週に500g以内に抑え、加工肉は控えるように」と勧告しているのだ。

 日本人はというと、赤肉摂取量の平均量が、1人1日あたり50g、加工肉は13gと少ないことから、国立がん研究センターは、「平均的な摂取の範囲であれば、赤肉や加工肉ががんの発生リスクに与える影響はないか、あっても小さい」としている。

また、「飽和脂肪酸も含まれるため摂りすぎると動脈硬化、心筋梗塞のリスクが高まる」と前置きした上で、赤肉にはたんぱく質やビタミンB、鉄、亜鉛などの健康維持にとって有効な成分が豊富に含まれていることから、「摂取量が少なければ脳卒中のリスクを高めることがわかっているため、極端に肉を制限する必要はない」と発表した。

 だが、食品ジャーナリストの郡司和夫さんは「日本人の平均摂取量が低いからといって、安心できるわけではない」と言う。

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