国際情報

天安門事件の真相解明を要求、王丹氏が国連人権委員会に

あれから30年……真相解明の道は遠い

 中国の民主化運動指導者で、人権活動家の王丹氏は6月下旬、20人の中国の人権活動家らとともに、ジュネーブで行われた「天安門事件30周年ジュネーブセッション」に出席。この場で、「国連人権委員会は2006年以来、天安門事件に関する中国非難決議を採択していない」などと主張し、同委に対して、天安門事件の死者数などの真相究明を強く求めた。

 6月4日は天安門事件30周年で、日本や欧米のメディアは大きく事件そのものを取り上げたが、今回の王丹氏らの要求は一部外国メディアが報じただけで、日本のメディアはほとんどとり上げていない。ロイター通信が報じた。王氏は席上、国連人権委に対する要求をこう述べた。

「中国政府は30年前の1989年6月、軍を導入して、平和的なデモ参加者を虐殺し、多くの市民や学生の人権を侵害し、根本的な自由を奪い去った。この実態について、国連人権委は徹底的な調査を行い、その真相を明らかにすべきである」

 また、王丹氏は「中国政府は天安門事件をタブー視し、かつての民主化指導者や人権活動家、弁護士らを拘束、投獄するなど、現在に至るまで人権弾圧を継続している。個々の実態も併せて調査し、公表すべきだ」と主張している。

 一方、王丹氏は国連人権委が天安門事件などの中国政府の人権弾圧の実態を調査しないことについて、中国の多くの発展途上国に莫大な経済支援を行っており、それらも国々からの支持を受けていると指摘。そのうえで、「47カ国で構成している人権委は中国に対して機能していない」と強く非難した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《独占スクープ》敏腕プロデューサー・SKY-HIが「未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し」、本人は「軽率で誤解を招く行動」と回答【NHK紅白歌合戦に出場予定の所属グループも】
週刊ポスト
今年2月に直腸がんが見つかり10ヶ月に及ぶ闘病生活を語ったラモス瑠偉氏
《直腸がんステージ3を初告白》ラモス瑠偉が明かす体重20キロ減の壮絶闘病10カ月 “7時間30分”命懸けの大手術…昨年末に起きていた体の異変
NEWSポストセブン
世間を驚かせたメイプル超合金のカズレーザー(41才)と二階堂ふみ(31才)の電撃“推し婚”
【2025年・有名人の結婚&離婚を総決算】何かと平和な「人気男性タレントと一般女性の結婚」、離婚決断が女性からの支持につながった加藤ローサ
女性セブン
米倉涼子
《米倉涼子の自宅マンション前に異変》大手メディアが集結で一体何が…薬物疑惑報道後に更新が止まったファンクラブは継続中
火事が発生したのは今月15日(右:同社HPより)
《いつかこの子がドレスを着るまで生きたい》サウナ閉じ込め、夫婦は覆いかぶさるように…専門家が指摘する月額39万円サウナの“論外な構造”と推奨する自衛手段【赤坂サウナ2人死亡】
NEWSポストセブン
自らを「頂きおじさん」と名乗っていた小野洋平容疑者(右:時事通信フォト。今回の事件とは無関係)
《“一夫多妻男”が10代女性を『イヌ』と呼び監禁》「バールでドアをこじ開けたような跡が…」”頂きおじさん”小野洋平容疑者の「恐怖の部屋」、約100人を盗撮し5000万円売り上げ
NEWSポストセブン
ヴァージニア・ジュフリー氏と、アンドルー王子(時事通信フォト)
《“泡風呂で笑顔”の写真に「不気味」…》10代の女性らが搾取されたエプスタイン事件の「写真公開」、米メディアはどう報じたか 「犯罪の証拠ではない」と冷静な視点も
NEWSポストセブン
来季前半戦のフル参戦を確実にした川崎春花(Getty Images)
《明暗クッキリの女子ゴルフ》川崎春花ファイナルQT突破で“脱・トリプルボギー不倫”、小林夢果は成績残せず“不倫相手の妻”の主戦場へ
週刊ポスト
超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”だった高橋麻美香容疑者
《超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”の素顔》「白血病が再発して余命1か月」と60代男性から総額約4000万円を詐取か……高橋麻美香容疑者の悪質な“口説き文句”「客の子どもを中絶したい」
NEWSポストセブン
迷惑行為を行った、自称新入生のアビゲイル・ルッツ(Instagramより)
《注目を浴びて有料サイトに誘導》米ルイジアナ州立大スタジアムで起きた“半裸女”騒動…観客の「暴走」一部始終がSNSで拡散され物議に
NEWSポストセブン
「みどりの『わ』交流のつどい」に出席された秋篠宮家の次女、佳子さま(2025年12月15日、撮影/JMPA)
佳子さま、“ヘビロテ”する6万9300円ワンピース 白いジャケットからリボンをのぞかせたフェミニンな装い
NEWSポストセブン
オフシーズンを迎えた大谷翔平(時事通信フォト)
《大谷翔平がチョビ髭で肩を組んで…》撮影されたのはキッズ向け施設もある「ショッピングモール」 因縁の“リゾート別荘”があるハワイ島になぜ滞在
NEWSポストセブン