政治のプロが選ぶ「総理になってほしかった政治家」

「中曽根内閣の後、内政派の竹下さんが総理に就任した。当時はバブル経済で日本の国力がピークだったが、世界一に驕って変化を選ばなかった。

 もし、外相経験が長く国際的視野をもっていた晋太郎さんが総理になっていたら、もっと違う道が拓けていたかも知れない。安倍総理が外交と経済再生に力をいれているのは、父がやろうとしていたことを引き継いでいるのだと思う」

 総理になるには「天の時」「地の利」「人の和」が必要とされる。政治的実力があっても、運に恵まれなければ総理の座には届かない。その面で安倍父子は対照的だ。晋太郎氏が亡くなると、晋三青年は父の薫陶を受けた森喜朗・元首相、小泉純一郎・元首相の引き立てによって出世のレールに乗せられ、総理の座をつかむチャンスを得た。

 本誌のアンケート調査で、最多得票でランキング首位になったのが奇しくも安倍首相の父・晋太郎氏だった。安倍晋太郎氏とはどんな政治家だったのか。

 第一次安倍内閣の官房副長官を務めた的場順三氏は晋太郎氏との交流も深かった。

「私が総理になってほしかったのは晋太郎さん。総理として担がれる魅力、オーラがあり、派閥政治全盛の時代に他派閥議員も晋太郎さんの周囲に集まっていた」

 その1人、山口敏夫・元労相は、「晋太郎さんは反戦思想の持ち主だった」と語る。

「学徒出陣で特攻隊に志願した生き残りで、戦争の悲劇を身をもって知っていた。タカ派に見られがちだが、反戦思想で中道保守。少数政党の話もしっかり聞いてくれる懐の深い人物で野党からも信頼されていました」

総理になってほしかった政治家は誰?

※週刊ポスト2019年7月19・26日号

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン