ライフ

「いかの鹿の子焼き」 名前の由来はバンビ模様に似ているから

ばぁばの「いかの鹿の子焼き」

『きょうの料理』(NHK Eテレ)でもおなじみの現役最高齢、94才の日本料理研究家、“ばぁば”こと鈴木登紀子さんが、「これだけは遺していきたい」という味を紹介する。

 * * *
 春から夏にかけて、暖流にのって北上してくるのがするめいかです。「真いか」「夏いか」とも呼ばれ、その水揚げ量はばぁばの生まれ故郷、青森県が日本一。新鮮なするめいかはいか刺しはもちろんのこと、焼いても煮ても、揚げてもおいしいお利口さん。

 栄養面でも、高たんぱく、低カロリー、低脂肪と素晴らしいのよ。しかも豊富に含まれるタウリンという成分には血液中のコレステロール値を下げたり、血圧を正常に保つ働きがあるとのことですから、メタボ気味のばぁばは、毎日食べてもいいくらいね(笑い)。

 さて今回は、そんなするめいかを使った「いかの鹿の子焼き」をご紹介します。なぜ「鹿の子」というかと申しますと、いかは焼きますと、クルクルッと丸まりますね。その性質を利用するのです。

 包丁で格子状に細かい切り目を入れてから焼くことで、丸まった時にかわいらしい模様ができます。それがバンビちゃんの模様に似ていることから名付けられたのです。

 格子状に切り目を入れることを「鹿の子切り」、それを焼いたものが「鹿の子焼き」です。いかの下処理はご自分でなさってももちろんよいけれど、お店でさばいてくれるならお願いするといいの。ちゃんと胴と足を分けてくださるから。

 ただし、切り目は素早く入れてくださいね。おっとり切っていると、いかに粘り気が出て、ベタベタになりますよ。

 お客さまにお出しする時は、胴の部分だけをきれいに盛り付けますが、ご家庭で召し上がるなら、足の部分も皮を除いて長さを整え、一緒に焼いてお出しになるとよいわ。げそならではの歯ごたえ、旨みも楽しめますよ。

■「いかの鹿の子焼き」の作り方(2人分)

【1】いかの下処理をする。いか1杯は、わたを除いて胴と足に分ける。胴は皮を丁寧にむいてよく洗い、きつく絞った濡れ布巾でよく拭いてぬめりを除き、上下をまっすぐに揃えて縦3つに切り分ける。

【2】いかは表側を上に、やや斜め横にしてまな板に置き、厚みの半分ぐらいまで細かい切り目を入れる。

【3】格子になるように【2】にさらに包丁を入れる。

【4】ボウルにいかを入れ、みりん大さじ4、薄口しょうゆ大さじ2、サラダ油大さじ2を順に加えてさっと合わせ、5分ほど置いてなじませる。

【5】フライパンをよく熱し、サラダ油適量を入れて全体になじませてから一旦火から外し、いかを切り目を下にして並べる。中火にかけ、菜箸であたりながら、クルリと丸まったら火を止める。サラダ菜適量を敷いた皿に盛る。

撮影/近藤篤

※女性セブン2019年8月8日号

ばぁばこと鈴木登紀子さん

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《スクープ》“連立のキーマン”維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官が「秘書給与ピンハネ」で税金800万円還流疑惑、元秘書が証言
NEWSポストセブン
2018年、女優・木南晴夏と結婚した玉木宏
《ムキムキの腕で支える子育て》第2子誕生の玉木宏、妻・木南晴夏との休日で見せていた「全力パパ」の顔 ママチャリは自らチョイス
NEWSポストセブン
大分県選出衆院議員・岩屋毅前外相(68)
《土葬墓地建設問題》「外国人の排斥運動ではない」前外相・岩屋毅氏が明かす”政府への要望書”が出された背景、地元では「共生していかねば」vs.「土葬はとにかく嫌」で論争
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
《悠仁さまの周辺に緊張感》筑波大学の研究施設で「砲弾らしきもの」を発見 不審物が見つかった場所は所属サークルの活動エリアの目と鼻の先、問われる大学の警備体制 
女性セブン
清水運転員(21)
「女性特有のギクシャクがない」「肌が綺麗になった」“男社会”に飛び込んだ21歳女性ドライバーが語る大型トラックが「最高の職場」な理由
NEWSポストセブン
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン