国際情報

中国でも育児放棄が社会問題に 養育費徴収など罰則を規定か

国民性も変化しているのか(アフロ)

 育児放棄は中国でも大きな社会問題となっている。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 中国人のイメージの一つには、「子供に大量の資源を投入する」というものがあったように思う。子供の教育にお金を惜しまない民族として、よくユダヤ人と並んで称せられてきた。しかし、それもいまでは昔のことなのだろうか。

 中国政府は7月12日、民生部(省)など12部門と合同で〈事実上養育者不在となっている嬰児の保障をさらに確立するための意見〉を出した。

 そのなかには養育する能力をもちながらそれを履行しない親に対して、民生部が中心となり責任を追及するという方針が含まれている。罰則を設け、養育費の強制徴収などがなされるという。意見書には人民法院(裁判所)、人民検察院(検察庁)も名前を連ねている。

 このニュースには挿絵が添えられている。いかにもチャラチャラした若い夫婦が嬰児を放り出しているその頭上から、「追責」と書かれたハンマーが振り下ろされる絵が描かれており、子供を放っている親からは「只生不養」(生むだけで育てない)と書かれた文字が見える。

 中国政府がこうした対策をとるということは、要するに社会に明らかな「只生不養」の現象があるということなのだ。子供や家族を異常なまでに大切にする中国、そんなイメージはいつまでも通じないのかもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン