九州大学薬学研究院では、「痛み」に関しても最先端の研究が進められている。
「関節痛や神経痛は、夜間から朝に欠けて最も痛みが強くなります。関節が変形して痛みが生じたり、腫れて指が曲がらなくなるなどの症状が出る『リウマチ』は、明け方の痛みが最も強い。リウマチの炎症を起こす物質は夜間に体内で作られるので、それを抑えるために『抗炎症薬』を就寝前に飲むと効果が高いと報告されています」(同前)
ただし、『非ステロイド系抗炎症薬』の場合、胃が荒れやすくなる副作用がある。胃はもともと夜間に荒れやすくなるため、胃粘膜を保護する薬も合わせて処方されるケースが多いが、副作用の疑いがあれば主治医に相談する必要があるという。
国内で600万人以上の患者がいるとされる「神経障害性疼痛」の治療薬も、「夜に強くなる痛みを抑えるため、夕方から就寝2時間前の服用が望ましい」(同前)という。
ただし、これらの薬の服用時間を知ったうえで、注意すべき点もある。
「『体内時計』のリズムは人それぞれ異なります。あくまで目安として考えて、実際に服薬タイミングを変えたいと思う方は必ず主治医に相談してから決めてください」(同前)
※週刊ポスト2019年8月9日号