すぐに部屋を散らかす子供にイライラ、見て見ぬふりの夫にムカムカ。些細なことで、1日に何度もやってくる“怒り”の波。こんな毎日を繰り返していれば、いつか大爆発を起こして険悪になりそう。しかし、ほんの少し伝え方にコツを加えるだけで、日々のコミュニケーションは劇的に変わる。相手も自分も不快にならない言い方とは?
◆「なんでできないの?」
子供の成績が悪かった時など、つい口をついて出そうになる「なんでできない?」という言葉。日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんが話す。
「『なぜ』という言葉は、相手を追いつめてしまいます。言われた子供は責められた気持ちになり、自己肯定感が低くなるだけ」
こういう時は、前向きな言葉をかけるのが効果的という。日本ほめる達人協会理事長の西村貴好さんは言う。
「“伸びしろがあるってこと”“前回よりよかったから次も大丈夫”などと、前向きな言葉をかければ、できなかったことが自然とできるようになることさえあります」
また、子供の尊敬できる部分を見つけて褒めるのもよい。
「これは実際にあったことですが、いつも家に帰ると何も手伝わない子供が、ある日、友達の家に遊びに行きました。家に上がる時、たまたま靴をそろえたら、それを見た友達のお母さんが、“靴をそろえられるなんてすごいね、尊敬するわ”と言ったそう。するとそれ以降、この子は必ず靴だけはそろえるようになったそうです。人は『信頼』は裏切っても、『尊敬』は裏切れないのです」(西村さん)
◆「しっかりして」「ちゃんとやった?」「早くして」