「昭和の“荒れる学校”の名残で、運動会などのイベントでは保護者が警備を行う慣習が残っていましたが、民間会社に委託することにしました。単に楽をするのではなく、それで生まれた時間と目を子供たちに向けてほしいと考えました」(吉村さん)

 任期を終えた後も、後任に丸投げするのではなく「準会員」として吉村さんやそのほかのOB・OGがサポートする。

「多くの親は自分の子供が卒業すると地域の子供に目が向きにくくなりますが、私たちはこの地で暮らす以上、将来を担う地域の子供たちにかかわるべきではないでしょうか」(吉村さん)

 PTA組織は、日本PTA全国協議会を頂点とし、各都道府県の連合、市や町の連合と細分化されていく。東京都小学校PTA協議会に属す都内の学校が2~3割程度なのに対し、地方の学校はほぼ100%が県の連合に属しているといわれている。

 そういった事情もあり、都心と比べ、地方のPTAは旧体制を守ろうとする意識が強いのかもしれない。

「必ずしもすべてのPTAを改革することを勧めるわけではありません。児童数が少なく、PTA役員が全児童の名前を知っているようなアットホームな学校は、強制するまでもなく、自然と地域が子供たちを気にかけるので、うまく回っていることも多いのです。子供たち目線で一緒に学校や地域のことを考えようと思ったら、生徒会とかかわり、子供たちにこんなPTAがあると知ってもらえるよう向き合うことも大切です」(吉村さん)

※女性セブン2019年8月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
イメージカット
「有名人なりすまし広告」の類に“騙されやすい度”をチェックしてみよう
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン