「昭和の“荒れる学校”の名残で、運動会などのイベントでは保護者が警備を行う慣習が残っていましたが、民間会社に委託することにしました。単に楽をするのではなく、それで生まれた時間と目を子供たちに向けてほしいと考えました」(吉村さん)
任期を終えた後も、後任に丸投げするのではなく「準会員」として吉村さんやそのほかのOB・OGがサポートする。
「多くの親は自分の子供が卒業すると地域の子供に目が向きにくくなりますが、私たちはこの地で暮らす以上、将来を担う地域の子供たちにかかわるべきではないでしょうか」(吉村さん)
PTA組織は、日本PTA全国協議会を頂点とし、各都道府県の連合、市や町の連合と細分化されていく。東京都小学校PTA協議会に属す都内の学校が2~3割程度なのに対し、地方の学校はほぼ100%が県の連合に属しているといわれている。
そういった事情もあり、都心と比べ、地方のPTAは旧体制を守ろうとする意識が強いのかもしれない。
「必ずしもすべてのPTAを改革することを勧めるわけではありません。児童数が少なく、PTA役員が全児童の名前を知っているようなアットホームな学校は、強制するまでもなく、自然と地域が子供たちを気にかけるので、うまく回っていることも多いのです。子供たち目線で一緒に学校や地域のことを考えようと思ったら、生徒会とかかわり、子供たちにこんなPTAがあると知ってもらえるよう向き合うことも大切です」(吉村さん)
※女性セブン2019年8月15日号