須江監督は、身体が出来上がっていない1年生のふたりに、「週に200球」という球数制限を指示してきた。決勝後、須江監督はこんなことを話した。
「甲子園でも、笹倉と伊藤のポテンシャルをフルに活かしたい。ふたりで4回を投げて、残りの5イニングを3年生投手でしのぐ。それが理想の展開です」
他にも名門私立で1年生から活躍する選手がいる。ドラフト候補の3年生を擁する智弁和歌山で、4番を任される徳丸天晴(てんせい)だ。準決勝の南部戦では4打数4安打2打点の“天晴れ”な内容。レフトからの強肩でも魅せる。和歌山では安泰の地位を築く智弁和歌山なだけに、甲子園の度に徳丸の成長を見守る楽しみもある。
また、奈良の智弁学園にも期待のルーキーがいる。185センチの体躯から140キロ前後の速球を投げ込む小畠一心と、4番を任される前川右京だ。
地方大会で出色の活躍をみせた「スーパー1年生」の中から、この夏、早くも佐々木に続く令和“第2”の怪物が生まれてもおかしくない。
※週刊ポスト2019年8月16・23日号