国際情報

韓国全土覆う「日本憎し」の声 8月28~29日に頂点へ

過去の日本への批判と現在の問題が混線している(EPA=時事)

 韓国で8月15日といえば、日本の支配からの解放を喜ぶ「光復節」の記念日だ。今年の光復節を包む異様な雰囲気を、ソウル在住ジャーナリストの藤原修平氏が報告する。

 * * *
 光復節を迎えた韓国では、日本統治からの解放を祝う関連行事に加え、日本製品の不買などを訴える「NO NO JAPAN」キャンペーンが一層の盛り上がりを見せている。

「ボイコット・ジャパン、行きません、買いません」が合言葉のこのキャンペーン。専用サイトではあらゆる日本企業・日本製品を網羅し、アイテムごとに日本製に代わる韓国企業の製品などが紹介されている。「NO NO JAPAN」のスマホアプリを使えば、商品のQRコードを読み取って日本製品かどうかを瞬時に判別できる。これらを駆使すれば、自身の生活から日本を完全に排除できるというわけだ。

 これが最近、韓国で旋風を巻き起こしている。専用サイトへのアクセスは、多い日で148万件にものぼるという。利用者の評判も上々で、「日本製品なのかどうなのか勘違いしてしまうことが多かったけど、検索で簡単に使えてとても良い」(37歳会社員)とか、「日本製品とは思っていなかったが、実は日本製品だったというものが意外と多い。これからも引き続き、確認しながら消費活動をしていきたい」(41歳会社員)などの感想が聞かれた。

 このキャンペーンは、もともとは一民間人が始めた運動に公共機関や自治体が同調し、短期間で国民運動にまで発展したところが特徴だ。今では市内を走る路線バスや自治体の庁舎にまでそのステッカーが貼られている。サイト開設者の男性は、キャンペーンの目的を「強制徴用の被害者のため」だと断言している。

 日本で韓国のホワイト国除外が閣議決定される以前、7月24日付の報道によると、韓国でこの不買運動に参加しているのは62.8%だった。テレビの報道番組では「このまま不買運動が続けば、日本経済に大きな打撃が及ぶだろう」と韓国国民を鼓舞するかのような言説が耳に残った。

「ホワイト国除外」を定めた日本の政令の施行日は8月28日。日韓併合の「国恥日」とされる8月29日と相まって、日本糾弾のボルテージは韓国全土でどんどん高まっていくことだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン