• TOP
  • 国際情報
  • 香港デモで露呈 「連邦」を禁止語にする中国支配の限界

国際情報

2019.08.24 07:00  週刊ポスト

香港デモで露呈 「連邦」を禁止語にする中国支配の限界

 私はこのコンセプトを、当時の台湾の李登輝総統に提案し、それを台湾の対中国交渉窓口機関である海峡交流基金会の辜振甫理事長が、1993年にシンガポールで開かれた第1回の両岸会議で、中国の海峡両岸関係協会の汪道涵会長らを前に披瀝した。

 ところが、これを中国共産党が警戒したらしく、その後、中国国内では「連邦」という言葉が禁じられ、社名に連邦が入っている会社は、強制的に社名変更させられてしまった。

「連邦」というのは、異なる発想を許すものだ。アメリカも建国時の13州の意見が一致しなかったからユナイテッド・ステーツになった。しかし、中国共産党はそれを危険視して許さなかったのである。要するに、「千丈の堤も蟻の一穴から崩れる」ということで、自分たちに都合の悪いことはすべて封印しているのだ。

 おそらく今回のデモや暴動で、中国政府は反中国派・民主派の香港人に対する監視をいっそう強化しているはずだ。デモ行為に対する人民解放軍の投入まで言及するようになっている。いま習近平政権は海外への送金や現金の持ち出しを厳しく規制しているが、それはその行為が亡命や国外脱出の準備とイコールだからである。

 すでに香港では台湾への移住が増えているという。あと28年で香港は完全に中国の一部になるわけだから、このまま中国政府が香港に対する締め付けを強化していけば、反中国派・民主派の香港人の多くは海外に移住せざるを得なくなるだろう。1997年の中国返還時には多数の香港人がカナダやオーストラリアなどに脱出したが、それ以来の大脱出がこれから起きるかもしれない。

関連記事

トピックス