のどを鍛える曲の選び方
「食べ物を飲み込む際、のどにある喉頭挙上筋群が動き、のどぼとけを持ち上げると同時に気管の入り口を閉じて食道を開きます。嚥下力の源となるこの筋肉は加齢とともに衰えますが、鍛えれば回復します」(西山医師)
喉頭挙上筋群が衰えると、のどぼとけの位置が下がってくる。気になる人は、鏡を見て目視で確認することができる。喉頭挙上筋群を効果的に鍛える方法として注目されるのが「歌うこと」だ。
「発声は、嚥下と同じ喉頭挙上筋群を用いて行なわれるため、声を出す訓練をすれば、この筋肉を鍛えられます。発声トレーニングの中でも、楽しみながら効率よく、のどの筋肉を鍛えられるのがカラオケなのです」(西山医師)
◆「上手い」「下手」は関係ない
カラオケでのどを鍛えるために大切なのは、「曲選び」であると西山医師は指摘する。
「どんな歌でもいいわけではありません。選曲や歌い方によって、のどにもたらす効果は大きく異なるからです」(西山医師)
西山医師が勧めるのは、「高音と低音をどちらも適度に含む曲」である。
「のどに手を当てながら声を出すとわかりますが、のどぼとけは高い声を出すと上がり、低い声を出すと下がります。のどの筋肉を鍛えるには、のどぼとけの上下運動をしっかり行なうことがポイント。このため高いパートと低いパートを両方含む曲が効果的です」(西山医師)