立場や肩書がある者が出所する際には、億単位の金が入ったとしても、下っ端の組員が服役して出所する際はどうなのか?
「組織のために拘禁生活を余議なくされた者、個人的な事件で懲役になった者では扱いが違う。前者の場合、事件にもよるが、各組で毎月の積立金があり、社会復帰後にもらえるようになっている」
個人的なことで懲役になれば積立金はなく、高山氏の場合、個人的な恐喝容疑で服役したため積立金はないが、あのクラスになれば、積立金がなくとももらえる額は違ってくる。
「積立金の額は抗争と準抗争で違う」
ここには明確な区別があり、抗争は山口組対○○組織の争い、準抗争は各組対○○組織の争いを差す。
「抗争で服役すれば毎月の積立金は30万円、準抗争なら10万円というのが大まかな額だ。10年服役すれば360か月×10万円=3600万円+α、+αは各組の個人、知人、他組織からの義理になる。六代目山口組でいえば、神戸山口組、任侠山口組との抗争事件なら、山口組本体からも見舞金が出る」
組や肩書、地位によって積立金の額は変わるという。組長や幹部クラスが組織のために服役すれば、毎月の積立金が100万円になるところもあるらしい。
他にも抗争によって拘置所生活をしている組長や幹部クラスには、山口組直参が順番に面会に行き、差し入れ金を持参するという。
「差し入れ金はだいたい20万。分裂前の山口組ならおよそ100団体の組が数か月に一度面会に行く」
計算しただけで年間数千万円の差し入れ金+αが入ることになる。長く服役すれば億単位の金になるが、出所できなければ使えない。
「こういう金を我々は義理と呼ぶ」
ナンバー2の出所にあたり億単位の金で義理を立てるヤクザの世界で、山口組分裂抗争は果たして新たな展開を迎えるのだろうか?