「つけたばかりは違和感があるかもしれませんが、1週間経てばだんだん慣れてきますよ」
そんな島田さんの説明通り、うまく立てずに後ずさり、その場で立ちつくしたり、部屋の隅の壁にもたれかかって体を支えていたリリーちゃんが、10分ほど経つうちに、動きはぎこちないものの、歩くようになる。
「つけ続ければ、もっとスムーズに動けるようになりますよ」
そう島田さんは笑顔で飼い主に語りかけていた。
「量産できれば、もっと収入を得られるのかもしれませんが、体が不自由になったペットが少しでも楽に暮らせて、飼い主さんの負担が軽減されれば、それでいいんです」
すべてはペットと飼い主のために。今日も島田さんは義肢を作り続けている。
◆義肢装具で元気になるまで
※女性セブン2019年10月17日号