日本ラグビーの黎明期を牽引し、かつては新日鉄釜石の監督兼選手として活躍するなど指導者も経験している松尾雄治氏(65)。その松尾氏が、今回W杯で活躍した日本ラグビーを今後どのように盛り上げていくべきか語った。
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昔のラグビーは指導者が「やるべきこと」を決めて、それに全員が従っていくというスタイルでした。ですが、今の日本代表はひとりひとりが判断して、その意図を周りが理解して助けていくことができる。「きっと誰かがサポートに来るから、それを信じてパスを出す」という流れができています。戦略性と組織力は確実に上がっていると思いますね。
これだけレベルが上がってきたら、日本のラグビー協会は、「今後の日本のラグビーをどう盛り上げるべきか」をもっと考えていくべきです。
ラグビーは生で観戦するのが一番面白い。全国各地で世界レベルの試合をやることが、何よりファン獲得と競技人口の拡大につながります。
地方の子供たちに生のラグビーの試合を見せ、試合前に子供たちを対象にしたラグビースクールを開設するなど、底辺拡大のためにできることはすべてやるべきです。