ライフ

時代遅れの健康診断 発見率悪く無駄な医療に繋がる例も

健康診断には落とし穴も(写真/AFLO)

 健康で長生きしたいからこそ、日々の生活で摂生したり、時間や手間をかけて検査を受けたりする──だが、それによってむしろ健康が損なわれているとしたら、これほど皮肉なことはない。

 実は、会社員であれば毎年義務づけられ、リタイアしてからも自治体などが無料で行なっている「健康診断」には、落とし穴が多い。毎年の結果が正常値であれば安心──それは、大きな誤解だ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏がいう。

「健康診断の主たる目的は、『生活習慣病』を減らすことで、がんや脳梗塞、心筋梗塞といった重大疾患に罹るリスクを避けること。しかし、時代遅れなせいで発見率が悪かったり、無駄な医療につながったりする手法が残ってしまっている例があります」

 自費でがん検診や人間ドックを受診していても、同様の心配がある。

「本来治療が不要な状態にもかかわらず“陽性”と反応してしまったり、体に大きな負担をかけて後遺症が残るリスクを生じさせる過剰な検査や治療でかえって健康を損ねかねないものもある。

 健康診断などでは全員が一律同じ項目を受けますが、『この検査さえ受けていれば安心』と考えてしまうのではなく、患者は、それぞれに応じた“自分に合った検査”を受ける必要があります」(同前)

※週刊ポスト2019年11月8・15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン