国内

代々木駅そばに2つの「開かずの踏切」 相鉄乗り入れで深刻に

代々木駅南側にある厩道踏切。埼京線が通過中

代々木駅南側にある厩道踏切。埼京線が通過中

 かつては全国に7万箇所以上あった踏切だが、鉄道事故のうち踏切障害が247件(36.5%)と人身傷害(57.5%)の次に多いこともあり(令和元年版「交通安全白書」)、現在は約3.3万箇所と減り続けている。ところが、東京23区内には今も約600箇所の踏切が存在し、交通量が多い地域の踏切は「開かずの踏切」と呼ばれ解決が望まれている。しかし近年は、乗客の利便性を増すために広がる鉄道の相互乗り入れの影響で、開かずの踏切化がさらにすすむ問題も生じている。20年前から顕在化し、相鉄線乗り入れで開かずの踏切化がさらに進みそうな渋谷区の踏切問題について、ライターの小川裕夫氏がレポートする。

 * * *
 横浜駅をターミナルにしている相模鉄道(相鉄)は、これまで東京都内へ電車の乗り入れをしていなかった。設立から100年以上の時を経て、2019年11月30日にようやく東京へと乗り入れが実現する。相鉄は西谷駅―羽沢横浜国大駅間を新たに開業させ、それにあわせて、初めて都内に電車を走らせることになった。

 これにより、相鉄は羽沢横浜国大駅からJR線へと乗り入れ、湘南新宿ラインと同じように武蔵小杉駅や大崎駅などを経て、渋谷駅・新宿駅と直結する。

 すでに新ダイヤも発表されており、相鉄からJR線へと乗り入れて新宿駅まで走る電車は1日に92本。ラッシュ時は1時間あたり4本程度が運行される。

 相鉄の電車が東京へと乗り入れることによって、横浜方面からのアクセスが飛躍的に向上する。沿線開発も活発化するだろう。早くも期待が高まっている。

 乗り入れる相鉄も新型車両を用意。事業者や沿線住民・利用者のみならず鉄道ファンからも注目が集まる。

 相鉄の東京への乗り入れはメリットばかりが強調されがちだが、乗り入れることによって弊害も生じる。それが代々木駅の近くにある、青山街道と厩道の2カ所の踏切の開かずの踏切問題だ。

 代々木駅は、山手線と中央・総武線の電車が停車する。どちらの路線も高架化されているので、山手線と中央・総武線の電車によって開かずの踏切が生じることはない。

 しかし、その隣には埼京線や湘南新宿ライン、りんかい線などが走っている。埼京線や湘南新宿ライン、りんかい線が走る線路は、もともと山手貨物線と呼ばれる貨物専用線だった。貨物列車だけが走るなら列車の運転本数は少なく、問題視されることはなかった。

関連記事

トピックス

真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
《コォーってすごい声を出して頭をかじってくる》住宅地に出没するツキノワグマの恐怖「顔面を集中的に狙う」「1日6人を無差別に襲撃」熊の“おとなしくて怖がり”説はすでに崩壊
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)千葉県の工場でアルバイトをしていた
「肌が綺麗で、年齢より若く見える子」ホテルで交際相手の11歳年下ネパール留学生を殺害した浅香真美容疑者(32)は実家住みで夜勤アルバイト「元公務員の父と温厚な母と立派な家」
NEWSポストセブン
今年の”渋ハロ”はどうなるか──
《禁止だよ!迷惑ハロウィーン》有名ラッパー登場、過激コスプレ…昨年は渋谷で「乱痴気トラブル」も “渋ハロ”で起きていた「規制」と「ゆるみ」
NEWSポストセブン
アメリカ・オハイオ州のクリーブランドで5歳の少女が意識不明の状態で発見された(被害者の母親のFacebook /オハイオ州の街並みはサンプルです)
【全米が震撼】「髪の毛を抜かれ、口や陰部に棒を突っ込まれた」5歳の少女の母親が訴えた9歳と10歳の加害者による残虐な犯行、少年司法に対しオンライン署名が広がる
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《新恋人発覚の安達祐実》沈黙の元夫・井戸田潤、現妻と「19歳娘」で3ショット…卒業式にも参加する“これからの家族の距離感”
NEWSポストセブン
キム・カーダシアン(45)(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストの元妻の下着ブランド》直毛、縮れ毛など12種類…“ヘア付きTバックショーツ”を発売し即完売 日本円にして6300円
NEWSポストセブン
レフェリー時代の笹崎さん(共同通信社)
《人喰いグマの襲撃》犠牲となった元プロレスレフェリーの無念 襲ったクマの胃袋には「植物性のものはひとつもなく、人間を食べていたことが確認された」  
女性セブン
大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン