◆海外より養育費対策に遅れをとっている日本

 日本では今まで養育費不払いに対する罰則がありませんでした。しかし海外では様々な対策が行われています。

 例えば、スウェーデンでは未払い養育費を国が立て替え、シングルマザーに代わって父親から回収してくれるそうですし、アメリカでは養育費未払い者には運転免許やパスポートの発行を停止するなどの厳しい罰則を課す州もあるそうです。

 OECD(経済協力開発機構)の調べによると、日本のひとり親世帯の相対性貧困率は54.6%と、先進国の中で群を抜いて高いのです。

 その大きな理由のひとつは、受け取るべき養育費を受け取れていないことにあるのは間違いないでしょう。逆に言えば、シングルマザーの貧困問題は、養育費がきちんと支払われるようになれば、多少なりとも解決に向かうのではないでしょうか。

◆ひとりでも養育費交渉はできる

 養育費を支払われないことについて、諦めているシングルマザーが大勢います。手続きが面倒だというのも大きな理由です。

 たとえば調停で話し合いをしようとしたら、父親が現在居住する地域の家庭裁判所で行われるので、遠方の場合交通費も大変です。それに弁護士に依頼するとなるとかなりの費用もかかってしまうのです。

 しかし実は、弁護士を雇わなくても一人で闘うこともできます。実際私の知り合いにも一人で調停申立書類を作成し、調停当日は新幹線で遠くの家庭裁判所に向かい、養育費を勝ち取ったシングルマザーもいます。ネットで調べ、見よう見まねで書類を作ったのだとか。不慣れなので時間はかかったそうですが、予算が足りない場合は、根性を出して頑張る方法もあるのです。

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