国際情報

韓国が原潜保有を準備 識者は「日本が狙われる可能性」指摘

韓国国軍の式典で敬礼する文在寅大統領(EPA=時事)

 韓国が、攻撃型の原子力潜水艦(原潜)を保有しようとしている──10月10日、韓国の沈勝燮(シム・スンソプ)海軍参謀総長は、海軍に対する国政監査の場で、「北朝鮮および周辺国に対する抑止戦力として原潜の有用性と必要性を認識し、原潜の保有の準備を進めている」と述べた。それまで噂されていた原潜の建造について、公式に認めたのである。

 さらに、韓国紙・朝鮮日報(2019年10月30日付日本語版)は、米ワシントンで開催された専門家討論会で米海軍関係者が〈「米国は韓国が同盟国だとしても(原潜)技術を渡さないだろう」と語った〉ことを伝えている。アメリカは韓国の原潜建造に技術供与しないということだが、記事はこう続いている。

〈韓国国防安保フォーラムのムン・グンシク対外協力局長は「韓国は小型原子炉を輸出するほどの技術と潜水艦建造能力を持っている」と語った。原子力研究所は既に2000年代前半に原潜用原子炉の基本設計を終え、韓国政府当局は小型原子炉の試験施設も造ったといわれている〉

 アメリカの協力を得られなくても、韓国には自力で原潜を開発する能力があることを示唆しているのだ。しかし、なぜ韓国は原潜を保有しようとしているのか。

 その理由を探る前に、潜水艦の種類について説明しておきたい。潜水艦には「原子力潜水艦」のほか、ディーゼルエンジンや電動の補助モーターなどを動力とする「通常動力潜水艦」がある。

 原潜はわずかな核燃料で長期間運行でき、原子炉で海水を蒸留して真水を作れ、発電した電力で水を電気分解して酸素も作れるので、理論的には半永久的に海中を潜行できる。現実には搭乗員の食料補給と肉体的・精神的な疲労の問題があるので、任務期間はおよそ2か月とされる。

 一方の通常動力型は積める燃料の量によって航続距離に限界がある。船内の換気とエンジンのバッテリー充電のため定期的に浮上する必要もあり、その際に敵に発見されやすい。

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト