それぞれの薬が持つ「副作用」の問題もある。薬は、発売後に副作用が新たに判明すると、「医薬品添付文書」や「使用上の注意」に当該の副作用を随時追加しなければならない。最近の例でいえば、10月29日に厚労省は胃潰瘍などの治療に用いられる「タケキャブ」の添付文書に、重大な副作用として〈汎血球減少、白血球減少〉を追記することを命じた。
「このように、日々膨大な種類の薬に副作用が追加されるため、追い切れている医師はほとんどいないのが現状です」(セルフケア薬局の薬剤師・長澤育弘氏)
多くの場合、患者の体にはっきりとした悪影響が表われるまで、医師が減薬を提案してくることはない。
※週刊ポスト2019年11月29日号