「桜を見る会」で安倍晋三首相と記念撮影する招待客たち(時事通信フォト)
桜を見る会には、多忙な芸能人や著名人が毎年百人近く出席している。
そうした芸能人とりまとめのキーマンの一人と見られている人物がいる。自民党の政治資金団体「国民政治協会」職員のI氏だ。芸能プロダクション経営者が舞台裏を語る。
「Iさんが毎年1月下旬頃までに候補者リストをまとめて内閣府にお願いし、招待状が送られるという流れ。官邸から『この人を呼んでほしい』と旬のタレントを指名され、橋渡しをすることも少なくないようです」
I氏のフェイスブックには、ダンディな帽子をかぶった当人と桜を見る会で撮影した多くの芸能人との写真がいくつもアップされ、芸能界に人脈が広いことがうかがえる。事前に設営のチェックにも訪れており、深く関与しているのは確かなようだ。
桜を見る会に出席したことのあるタレントも、「Iさんから直接“どうも、どうも”とキャスティングの電話がかかってきます」と彼から直接連絡があったと明かす。
本誌はI氏の話を聞くために国民政治協会を訪ねたが、受付の女性は、「Iの取材はお受けしません。協会として取材の取り次ぎもしないことになっております」と完全拒否した。
資金の流れを含めて、多くの疑惑はまだ闇の中だ。
※週刊ポスト2019年12月6日号