しかし、そのチャンスを日本は失してしまった。そもそも現在のような“総無責任体制”では、原発再稼働は無理である。さらに関西電力の幹部が賄賂漬けになっていた醜態が明るみに出たことで、もはや原発は“再起不能”になったと思う。
関西電力の問題は、おそらく全電力会社の問題だろうし、まだ明らかになっていない政治家や役人の関与も疑われるので、あとは原発がなくなっても大丈夫なように、国を挙げて「3割節電」に取り組むしかない。
そのために電気代がいっそう値上がりする可能性もある。電気代は税金のようなものだから、つまりは貧しい人ほど電気を使えなくなって苦しむことになるかもしれない。だが、これから日本はそういう国にならざるを得ないのだ。
※週刊ポスト2019年12月6日号