「スマホやSNSの使用については、使い始める前に子供と考えながらルールを決めましょう。たとえば、使う時間や場所、使ってよいSNSやアプリを限定すること。『アプリをダウンロードするときは、必ず親と一緒にする』とか、『パスワードは必ず親に教える』といったこと。もちろんその理由も本人が理解し、納得していなければ意味はありません。
これが守られることを前提に『仮免許』を発行して使わせ、守られなかった場合は減点していき、『1週間、免停ね』といって没収するといったペナルティを設けておくこと。ルールは紙に書いて壁に貼っておき、いつでも親子で確認できるようにしておく。思春期前の、親子が一緒に学べる時期にそれぐらいのかかわり方が必要です」(遠藤氏)
こうして、初めて路上で自動車を運転するときのように、そろりそろりと使っていけば、「危険なライン」と「大丈夫なライン」を子供が自ら判断できるようになっていく。そうすれば、インターネットやSNSが本来持っている利便性や有用性といったポジティブな側面を存分に活用して、子供自身の才能を開花させ、世界を広げていくことができる。
そして、ルールづくり以上に必要なのが、何かあったときにいつでも相談できる親子関係づくりだ。親子間のルールをつくったところで、親子の信頼関係がなければ子供はルールを守ろうという気にならない。親に相談できないことを打ち明けさせながら、子供からの信頼を得ていくのが犯罪者の手口である。親に相談できれば、ネットの中の人に頼らずにすむ。子供がいつでも安心して飛び込める受け皿でいられれば、今後どのようなSNSやアプリが出てきても、親子でしっかり対処できるはずだ。
●取材・文/岸川貴文(フリーライター)