動物学者の今泉忠明さんが監修した『ざんねんないきもの事典』(2016年、高橋書店)ほか一連のシリーズが子供たちの心をつかみ、爆発的に支持を得ている。そこで今回は、今泉さんに生き物の寿命のふしぎについて解説してもらった。真の長寿の象徴とは?
古くから長寿を象徴するいきものといえばツル。ところがタンチョウヅルの寿命は25年程度で、最長寿記録を持つソデグロヅルでも61年。「鶴は千年」には遠く及びません。
ツルの長寿説は、紀元前の漢の書物からきています。ツルは外見で個体を識別するのは難しく、越冬にやってきた個体を、次の年もその次の年も同じツルだと思い込み、「長寿だ」とかんちがいしたのではないかと推測します。
一方、「紅鶴」の異名を持ち、ツルと同じく片足立ちをするフラミンゴはもっと長生き。オーストラリアの動物園にいたオオフラミンゴの「グレーター」は83年も生きました。しかし、晩年は重度の関節症を患い、目もほとんど見えなかったそう。鳥にとっても足は健康の要です。
【オオフラミンゴの基本データ】
大きさ:全長85cm
生息地域:アフリカ、南ヨーロッパ、インド、南アメリカ、カリブ海諸島、北アメリカのフロリダ
好きな食べ物:プランクトンや藻
毎日の健康法:水遊び
◆元イギリス首相チャーチルのコンゴウインコは100才以上で健在
“イギリス史上最も長寿の鳥”といわれるインコの「チャーリー」。元イギリス首相のウィンストン・チャーチル(1965年逝去、享年90)が飼っていて、100才をこえた今も元気に暮らしているそうだ。
※女性セブン2019年12月5・12日号