重ね着は「薄くて体にフィットするもの」を選ぶことが大事だ。
「インナーから順に薄手で体に合ったサイズを重ねていくと、暖められた空気が逃げないので冷えません。逆に厚手のセーターやアウター類でもブカブカを重ね着すると寒くなるので要注意です」(石原医師)
◆冷たい風の日には「フリース」より「インナーベスト」
アウターの役割は風雨や雪をシャットアウトすること。多くの人が着ているダウンやフリースは、天候次第ではアウターに適さない。
「ダウンは体温で膨らんだ羽根が空気をつかんで暖かくなるので、防水機能がないと雨や雪で羽根がしぼみ、パフォーマンスが下がります。フリースは風を通しやすい素材なので、風がある日はアウターに適しません」(あんどう氏)
同じダウンでも近年流行しているベスト型のインナーダウンなら天候を問わない。しかし、注意すべき点もある。
「ダウンの暖かさが最大限に発揮されるのは熱源である肌の近くに着た時なので、インナーダウンは理に適った防寒着です。しかし、ダウンの上から重いアウターを羽織ってしまうと空気の層が潰されてしまい、羽毛による保温効果が台無しになります」(あんどう氏)
※週刊ポスト2019年12月20・27日号