第3のビールでトップシェア争いを繰り広げる本麒麟(キリン)と金麦ゴールドラガー(サントリー)
そうなると、ビールメーカー各社も春先からスタートダッシュをかけ、夏の五輪商戦に突入し、8月9日に五輪が閉幕した後も、9月には増税直前となる第3のビールの駆け込み需要が相当、見込まれる。
ということで、秋口までは例年以上に第3のビールで熱い争奪戦を繰り広げることになりそうだ。一方、10月以降の駆け込み反動減も大きいことが予想され、あまたある第3のビール商品は、ブランドとして確立していないと脱落し、淘汰されていく可能性が高い。
今年、第3のビールは各社から“キレ系”と“コク系”の新商品が投入されたが、軍配は完全に後者だった。これは、コク系で先駆けた「本麒麟」(キリンビール)が昨年来からのヒットを持続させ、今年登場した「金麦ゴールド・ラガー」(サントリービール)も勢いを増したことでも明らか。
もっといえば、“ニアビール”という位置づけが、より生き残りの鍵になっていきそうだ。
2020年2月、黒ラベルとヱビスの材料を使った「ゴールドスター」を発売予定のサッポロ
たとえば、サッポロビールが来年2月4日に発売する「ゴールドスター」。12月4日には早々に発表会を行ったが、同商品は「黒ラベル」で使用している麦芽と「ヱビス」で使用しているホップを採用した戦略商品である。
第3のビール市場はアサヒビール、キリン、サントリーの三つ巴状態で、サッポロは大きく離されているが、既存の「麦とホップ」に加え、「ゴールドスター」で一気に割って入りたいということだろう。
第3のビールで苦戦するサッポロ「麦とホップ」