アサヒビールは主力スーパードライの販売をどこまで底上げできるか
一方、減税となるビールは10月以降、徐々に販売が上向く可能性はあるが、来年はまだ前哨戦だ。その中で、東京五輪のゴールドスポンサーになっているアサヒは、五輪の開催期間が半月余りで短いとはいえ、ここ数年販売が落ちている「スーパードライ」の底上げに挑み、どこまで挽回できるかも焦点になる。
もう1つは、「淡麗」擁するキリンの一強状態にある発泡酒。発泡酒は、2026年まではずっと現状維持の税率だからだ。第3のビールは、増税によって市場規模が10%ダウンするとも目されているが、現在の趨勢を見ると、その凹み分が流れるのは、発泡酒よりも、やはり2026年まで税率が据え置かれる(350mlで28円)、缶チューハイなどのRTD(レディ・トゥ・ドリンク)と呼ばれるジャンルになる公算が大。
RTDは縮小が止まらないビール市場と反比例するように伸びてきており、ハイボール缶などに続いてレモンサワーも大きなトレンドになってきている。
加えて言えば、消費増税では軽減税率の対象で、酒税改正とも無関係のノンアルコールビールは、健康志向の高まりを鑑みても、まだまだ伸びしろがあると各メーカーはソロバンを弾く。
キリンとサントリーはそれぞれ、「カラダFREE」「からだを想うオールフリー」という、内臓脂肪を減らす点をアピールポイントにしたノンアル商品で攻勢に出ている。また、消費増税前の駆け込み需要では、勘違いしてノンアルビールにも消費者の駆け込み買いが見られたことからも、愛飲者を一定層、掴んでいることが見て取れる。
キリンとサントリーは内臓脂肪を減らすノンアルビールで激突