ビジネス

東京五輪前後でビールのヒット商品と業界勢力図は激変する!

酒税改正で激戦が予想されるビール市場(時事通信フォト)

酒税改正で激戦が予想されるビール市場(時事通信フォト)

 来年2020年は、ビールメーカーにとって転換期の幕開けとなる──。2020年10月に続き、2023年10月、2026年10月と、3段階にわたって酒税改正が行われるからだ。

 タバコと同様、増税の標的になりやすいビールだが、過去を遡ると、ビール増税への対応で1994年に割安な「発泡酒」が登場し、その発泡酒が増税となって2003年、さらに低価格の「第3のビール」がお目見えした。いわば増税のたび、ビールメーカーは苦肉の策として新たな商品を投入してきたのだ。

 そして来秋、第3のビールが増税(350ml缶1本あたり10円の増税)となる。ただし今回は、一方でビールが初めて減税(同7円の減税)となり、“増減税抱き合わせ”である。

 現在はビールの酒税が最も高く、350mlあたり77円、発泡酒が47円、第3のビールが28円。これが10月からはビールが70円、発泡酒は現状維持で47円、第3のビールが38円となる。さらに、2023年には第3のビールは発泡酒と統合されて酒税は47円で同額に。そしてゴールの2026年には、ビールと発泡酒も54.25円で一本化される。

 ともあれ、まずは来年10月である。サッポロホールディングスの尾賀真城社長は以前、メディア向けの事業説明会の席上、こう語っていた。

「消費増税は、今回は2%のアップ幅でしたので、第3のビールで1本2円強(350ml)、ビールで1本4円強の増税。なので、当初はそんなに駆け込み需要は発生しないのではないかと考えていました。ところが、実際には想定以上の駆け込みがあって、消費者の節約志向が根強いことがわかったのです。

 となると、第3のビールで1本10円の増税、ビールで1本7円の減税となる2020年10月以降は、かなり大きな消費変化の起点になっていくはずで、そこに照準を合わせてどんな打ち手を出していくかが重要です。

 もっといえば、まだ先の話にはなりますが、酒税が1本化される2026年は、国内のビール類の市場構造が大きく変わっている可能性がある。当社にとってはすごく楽しみですね」

 2020年は、ビール需要の最盛期である盛夏に東京オリンピック開催が控えていることから、仮に冷夏や長雨などの天候不順があったとしても、訪日外国人増加も追い風に、例年以上にビール類の消費は増えそうだ。

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン