岩手・遠野でのビアツーリズム
──しかしクラフトビールには手間暇がかかります。
確かにそうですね。それに、キリンビールだけでクラフトを手がけられれば一番効率はいいのですが、それではお客様に面白いと共感していただけない。そこで、軽井沢(長野県)のクラフトビールメーカーであるヤッホーブルーイングに資本参加したり、ニューヨークで人気のブルックリン・ブルワリーと提携した。
我々は20種類以上のクラフトビールを飲むことができる「Tap Marche(タップ・マルシェ)」というビールサーバーを飲食店向けに提供しています。これらのクラフトビールを「タップ・マルシェ」のラインナップにも入れて、クラフトのムーブメントを起こそうとしている。
──そのほか、将来に向けて取り組んでいることは?
若い世代の人たちと話していると、貧困や地球温暖化など、社会が抱えている課題を真剣に考えていると感じます。キリンもそういう問題に向き合い、解決していく企業になっていかないと評価されないでしょう。
社会に少しでもお役に立ちたいという思いから、電通さんと「INHOP(インホップ)」という合弁会社を新たに立ち上げました。キリンでは、ホップに関する研究開発を20年近く続けており、認知機能改善効果や体脂肪低減効果を有する独自素材である「熟成ホップエキス」を開発しました。