一方、車好きで知られる堀江選手の愛車は、稲垣選手とはある意味対照的で、まるで映画から飛び出してきたかのようなフォルクスワーゲンのレトロな旧型ビートル。彼の体にはちょっと窮屈な運転席に見えたが、華麗なドライブテクニックで、待ち構えるファンの前で停車。窓を開け……ようとしたが開かない! 力を入れるが開かない。最後にドンッと蹴破るようにドアを開けた。
「まさかドアを開けてまで対応してくれるとは……レトロな車でしたがピカピカに磨かれていて、大切に乗っているんだろうなと思いました」(別のファン)
開幕戦は各試合で開場前から長蛇の列ができ、満員になるほどの人気ぶりだった。しかし、苦い過去を思い起こした選手もいたようだ。スポーツ紙記者が語る。
「前回の2015年W杯で南アフリカに勝った後もラグビー人気が急上昇しました。しかし、一過性で終わったんです。その時のことを知る選手たちは、同じ轍は踏むまいと、この人気を持続させるために、ファンとの交流を大切にしているんだと思います」
今年の東京五輪では、メダルの期待がかかる7人制ラグビーがある。結果を出すことができれば、ラグビー人気は一過性で終わらないだろう。