ポスト安倍の後継選びで権力闘争を仕掛けた菅氏は、任期延長で総裁選が先送りされると勝負をかけることができないまま“総理に弓を引く”形に追い込まれ、泣きを見ることになる。
80歳の二階氏も総裁選がなければ、次の内閣改造で幹事長を交代させられ、引退に向かう可能性が高い。
そして安倍首相は、「憲法改正を成し遂げた総理」として余力を残して退陣することで、「安倍裁定」で後継者を指名する力を得ることができる。
「総裁任期1年延長」は安倍首相と麻生副総理にとって、総裁選を実施せずに菅―二階陣営という政敵を弾き飛ばす謀略といっていい。
これが永田町で起きている権力ゲームの深層だ。
※週刊ポスト2020年1月31日号