スポーティーさを強調するトヨタの新型ヤリス(時事通信フォト)
◆グローバルカーとして軽快な走りを主張する新型ヤリス
一方、新型「ヤリス」は、今回のフルモデルチェンジに合わせて名称をこれまでの日本国内向けの「ヴィッツ」から、グローバル市場と同じものに変更しました。そんな新型モデルのキャラクターは、どんなものかといえば、国内CMを見れば一目瞭然です。
そのCMは、女性アスリートと新型「ヤリス」が信号の合図で走り出すというもの。いわゆる“スポーティ”そのものです。リリースの説明でも、「軽快なハンドリングという強みを活かし」とあります。とにかく走りが売りなのです。
「セントラルラリー愛知・岐阜2019」で疾走するトヨタのヤリス(時事通信フォト)
そもそも欧州での「ヤリス」は、“WRC(FIA世界ラリー選手権)チャンピオンカー”というイメージがありますし、1月の東京オートサロンでは2ドアのハイパフォーマンス版「GRヤリス」も発表されています。「ヤリス」を名乗るなら、スポーティであって当然というわけです。
その走りの実力を裏付けるのが、採用された新世代のTNGA(※注)プラットフォーム(GA-B)です。現行「プリウス」から採用の始まったTNGAプラットフォーム・シリーズは、どれも非常に評判がよく、コンパクトカー向けの新しいものも非常に期待が持てます。
※注/「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー」の頭文字をとった略称で、クルマを骨格から変えて、走る・曲がる・止まるといった基本性能や商品力を大幅に向上させる取り組み。
ホイールベースは先代よりも延長されていますが、その伸びた分は前席に使われているのも特徴です。家族4人で使うというよりも、前席重視のパーソナル色の強いクルマと見ていいでしょう。
トヨタのTNGAプラットフォームで性能アップが期待されるヤリス
また、新開発の3気筒1.5リッター・エンジンと組み合わせたハイブリッド・モデルは、WLTCモード36.0km/lという非常に優れた燃費性能を達成しています。キビキビとよく走るというだけでなく、燃費性能も優れているのです。一方で、スポーティな走りを楽しめる6MT仕様車も用意されているというも特徴です。
安全面では、最新の運転支援システムとなるトヨタ・セーフティセンスを搭載しています。交差点を右折するときの対向直進車の危険や、右左折後の横断歩道上の歩行者検知など、新たな機能も追加されました。
また、ナビ系はディスプレイオーディオが標準装備で、ドライバーの自前のスマートフォンを活用するのが基本となっています。もちろんオペレーターによる支援サービスの使えるコネクテッド機能サービスも用意されています。