●河金 千束店
『河金 千束店』の河金丼 900円
疲弊困憊し、食欲がないときでもカレーなら食べられるという向きは多い。カレーは食欲増進効果があるだけでなく、使われているスパイスは漢方薬として利用されているものも多く、健康への効果もある。
使用されているスパイスや具材によって健康効果は違ってくるが、体力回復に効果的な食べ方はカツカレーだろう。豚肉にはビタミンB1やB6、マグネシウムが豊富に含まれていて、疲労回復や心臓強化に効果があり、これらの健康成分を生かすならトンカツが一番。
今でこそカツカレーはポピュラーだが、カレーとカツが出会ったのは大正7年。浅草で洋食屋台をしていた河野金太郎氏が常連客の要望に応えて出した「河金(かわきん)丼」が始まりといわれている。河金丼は河野氏の家族が受け継ぎ、令和の時代になってもその味を楽しむことができる。現在の店主・河野貴和氏は初代・金太郎氏の曽孫。吉原至近という場所柄から、風俗店からも出前の注文が多く入るなど、地元に愛されている名店だ。
河金丼(900円)は、カレーの味に負けることなくトンカツの旨味が十分感じられ、まったりしがちな口内を千切りキャベツがリセットしてくれるのでさっぱりと食べられる。
【店舗情報】
・東京都台東区浅草5-16-11
・営業時間:11時~20時
・定休日:土(月1回不定休)
◆撮影/中庭愉生
※週刊ポスト2020年2月7日号